2014年10月13日月曜日

小川町セレナーデ

監督:脚本 原桂之介                     2014日本

 なかなかいい作品だった。なあんといっても田顕がいい味をだしている。もはや何でもできるエンターテナーか。ある町のある人々、スナック小夜子のママはガンバリ屋(須藤理彩)。なんだかんだありながらも明るい笑顔。わけありの娘と二人暮らし。借金まみれの店をなんとかしようと、娘の小夜子(藤本泉)と従業員亮子(小林きな子)が発奮、救済案は「オカマBAR」だった。涙あり笑いあり。
 何かがはじまれば、それはやがて終わる。でも終わった後は全てなくなるのではなく、忘れていた何ものかに気づき、再びやり直すきっかけになる。よくある日本の中途半端な往来にある、モルタルの家。側面はトタン葺き。スナック小夜子は特別でもなく、あちこちに似たようなものはゴロゴロある。ほとんど目にとまることもない。でもそれがわれわれの人生。この親子関係も普通によくある。オカマもたくさんいる。この作品のせつなさは、一般の人々のせつなさ。
 ふっ、と思ったのだが、オカマは「男女雇用機会均等」から外れる?どうだろう。男が女の格好をすると気味悪がられ、女が男の格好をすると、なんだか「マニッシュ」な感じで納得される。でもオカマっていいんだけどなあ。
 大杉蓮がラーメン屋の親父でちょい役。オカマのエンジェル(安田顕)がラーメンを食べ終わり百円玉をカウンターに並べたら、「百円多いよ」と。エンジェルがキョトンとしていると。「今日はレディズデーだから」と張り紙を指差す。この場面サイコーにいい。
 例によってなんの情報もなく、チラシを観ておもしろそうだと思った。いい作品と出会った。 いつか社会からFRREになったとき、そのテのおしゃれをしたいのだがなナアー。
ほんのちょっとだけ。
                        (2014•10•12 『角川シネマ新宿』)