2018年7月16日月曜日

夏目漱石「こころ」私論


                   序
                                                                                                          テキスト「こころ」夏目漱石
                                集英社文庫


 私の高校教諭としての人生を振り返ってみて、現代文の授業で扱った「こころ」は日本近代精神を考える上で、重要な意味を持っていた。そしてこの近代精神というものが頗るやったかいなものであった。今現代の日本と日本人を考えてみて、何とも言い難い未消化な感覚が私のこころの奥に深い影を落としている。漱石は、当時の日本国家が抱える矛盾に、どうしようもない焦燥感を感じていたにちがいない。「こころ」という作品を読み解くたびに、その気持ちが湧いきて仕方がなかった。
 「こころ」を恋愛問題のみに捉えてはならない。確かに、北村透谷を持ち出すまでもなく、恋愛という感情が持つ自発性が、近代精神にとって大きな要因になるが、そのことにも疑問を投げかけているように思えてならない。近代日本文学の研究者であっても、このことに縛られている人が少なくはない。
                                                      近松仁左衛門

2018年7月2日月曜日

27回目の「都内銭湯探訪」

「富来浴場」(とぎよくじょう)「富来湯」とも書いてある。荒川区西日暮里4−22−10 日曜日定休で、15:30〜0:00の営業。真中にドカンと湯船がある関西風。脇に半畳ばかりだろうか、薬湯が壁にひっついている。今回は「かめありリリオホール」での落語会に行くのに時間が余ってしまい、ちょっと途中下車して尋ねてみた。開成学園の裏にある。貸しタオルが無料なのはうれしい。おばあちゃん、が受付にいるのもうれしい。







26回目の「都内銭湯探訪」


墨田区石原3−30−8の「御谷湯」(みこくゆ)月曜日定休で、15:30〜2:00までの営業。ビルの4階5階にそれぞれ男湯女湯が分かれる。日によって交代しているらしい。それほど広くはないが、低音中温高温の湯船と、半露天の薬湯があり、ビルの上からの眺めがいい。暗がりに不感湯というのがあって、心臓に負担がかからないような温度設定になっている。全体に清潔感が漂う。