2017年11月5日日曜日

外務省HPからの転載 (下線ブログ作成者) 路地裏の”Che"として


以下のスピーチ原稿は、外務省のHPに掲載されている安倍晋三内閣総理大臣の開会スピーチです。「国際女性会議WAW!(World Assembly for Women: WAW! 2017)」
尚、下線はわたしが付しました。


WAW!2017 総理スピーチ 11月3日(金曜日)
 皆様,おはようございます。そして,ようこそ日本にお越し頂きました。総理大臣とし て,心から歓迎いたします。
実は,先月,日本では総選挙がありましたので,ここに来ることができるかどうか,ギ リギリまで決まらなかったのですが,一昨日,国会で指名を受け,無事,総理大臣として, ここにやって来ることができました。
 そして,新しい内閣がスタートを切って,最初に参加する国際会議が,この WAW!にな ります。
安倍内閣の,「女性活躍」への本気度が,お分かりいただけると思います。
正直に申し上げれば,会議の日程は遥か前から決まっていました。ですので,偶然の結果です。
しかし,政治にとって最も重要なのは,「勘」なんです。この絶妙なタイミングを読み切 っていたかの如く,予めこの日程を設定したものであります。
これは,やはり,私の,「女性活躍」への強いコミットメントの表れだと,考えていただ きたいと思います。
 さて,この WAW!も,今回で4回目となります。壇上から見ておりますと,客席の皆様 が眩しいくらいに輝いています。回を追うごとに,熱気と華やかさが増している感じがい たします。
 これだけの数の,世界で活躍する女性たちが一堂に会する国際会議が,ここ日本で開か れるようになった。日本も本当に変わったなぁと,しみじみ感じております。
 30年以上前,私は,会社員として,ニューヨークで働いていたことがあります。
その時,アメリカのビジネス界で,男性と対等に,堂々と渡り合う米国人女性たちの姿 を目の当たりにして,本当に驚いたことを,昨日のことのように思い出します。
 その後,私は,政治の世界に飛び込みますが,男中心の日本社会が,アメリカのように 変わることは,当時,想像もしませんでした。
 ほんの10年前ですら,日本の女性の就業率は,64歳以下の全ての世代で,アメリカ よりも低かった。これが,現実でありました。
 しかし,5年前,私は,総理大臣となった直後から,「女性活躍」の旗を高く掲げ,成長 戦略のど真ん中に位置づけました。
 保育の受け皿整備など,女性が働きやすい環境を作ることに,全力を挙げて参りました。 その結果,女性の就業者数は150万人増加し,特に,子育て世代の女性就業率は一気に
5%上昇しました。いわゆる M 字カーブの問題は,確実に,解消に向かっています。 そして,昨年,とうとう,日本の女性就業率は,25歳以上の全ての世代で,アメリカよ りも高くなりました。
30年以上前,遥か彼方にあったアメリカ社会と,とうとう日本社会が肩を並べるとこ ろまで来たかと思うと,本当に,感慨深いものがあります。
 日本は,変わった。
 社会は,変えることができます。
日本企業の女性役員の数は,この5年で2倍以上に増加しました。 私自身も経済界に女性役員を増やすよう要請をしてきましたが,ルールも変えて,有価証 券報告書に女性役員の人数と比率の記載を義務づけました。そうすると,企業の行動が, 一気に変わりました。
 そして今,皆様ご存じのとおり,日本企業は,過去最高の収益を上げています。「ウィメ ノミクス」は,我が国の経済成長を牽引する大きな力となっています。 日本は,変わった。
 ですから,世界も,変えられるはずです。
世界の医療に革新をもたらし,世界で初めて,iPS 細胞による移植手術に成功したのは, 一人の日本人女性です。
 ③高橋政代(たかはしまさよ)さんは,眼科のお医者さんです。長年,患者さんの様々な 悩みに寄り添ってきました。偶然,彼女のパートナーは,脳神経外科医で,再生医療の研 究をしていました。この二つの異分野のノウハウを,高橋さんは見事に結びつけました。iPS 細胞の技術を用いて,目の網膜を作ることに挑戦し,大きな成果をあげました。
「新しいモノは,『間(あいだ)』にある。」
彼女はこう言います。眼科医は,再生医療研究の最先端を知らない。逆に,再生医療の 専門家は,網膜治療の重要性が分からない。
 この二つの既存の研究領域の「間(あいだ)」に,イノベーションを生み出す答えを,高 橋さんは見つけました。
 周囲の男性たちは,最初,彼女のプランを全く相手にしなかったそうです。男は,いわ ゆる「常識」にとらわれすぎる。私も胸が痛みます。
 男たちが作りあげた「常識」という壁を打ち破り,新しい時代を切り拓く力が,女性に はある。私は,そう信じます。
 ビジネスの世界も同じです。 男性にはない感性で,社会的な課題を解決する新たなビジネス。
女性ならではの目線で,これまでにない価値を生み出すビジネス。
 女性起業家は,閉塞感ある経済を打ち破り,世界経済を飛躍的に発展させる,大きな可 能性に満ちていると思います。
今,一人の若き女性起業家が,カンボジアの大地で,農業を変革しようとしています。 リム・ポーティーさんは,元々,NGOの一員として,カンボジアの貧困問題に立ち向か ってきた。貧しい農家の支援に取り組んできました。
 しかし,NGOの活動は,ドナーの支援に左右されてしまう。そこで,リムさんは,一 念発起し,日本のJICAがカンボジアで実施している起業家を支援するプログラムに参 加しました。そして,マーケティングや財務管理などを学んで,自らビジネスを立ち上げ ました。
 30軒のカンボジア農家から有機野菜や果実を買い取り,販売するビジネスです。
安定した販路を確保できた結果,契約農家の中には,子供たちが学校に行けるようにな った。新しい家を建てることができた人もいます。リムさんの新しいビジネスは,カンボ ジアの貧困の解消に大きな力を発揮しています。
「好きな仕事をして,社会に貢献することは幸せ」だと,リムさんは語ります。 女性起業家たちの挑戦は,経済を,そして世界を大きく変える力を秘めています。
本日このWAW!に参加してくださった, イヴァンカ・トランプさんも,同意して頂 けると思います。
 自らもビジネスを立ち上げた実業家として,また,トランプ大統領が信頼する補佐官と して,イヴァンカさんは,本年のG20ハンブルグ・サミットで,「女性起業家資金イニシ アティブ」の立ち上げを主導されました。
日本は,このイニシアティブを強く支持します。そして,最大拠出国の一つとして,5千万ドルの支援を行うことを決定しました。
 世界中に「女性活躍」のネットワークを広げていく。世界中の女性たちが立ち上がれば, 貧困をはじめ,世界の様々な課題は,きっと解決できるはずです。
日本は,世界において,これからも「女性活躍」の旗を高く掲げ,強いリーダーシップ を発揮していく決意です。
皆さんもご存じの iPhone(アイフォン)が発売されたのは,10年前。そして,現在, 世界中で累計10億台。世界的な,これだけの広がりを,10年前,誰が予想できたでし ょうか。
 10年あれば,世界は変えることができる。いや,10年も要らないかもしれません。 世界の至るところで女性たちが輝く社会, 女性たちが次の時代を切り拓く力となる世界を,必ず,実現できる。私は,確信しています。

 スティーブ・ジョブスの言葉を思い出します。
「自分が,『世界を変えられる』と本気で,信じる人たちこそが,本当に,世界を変えて いる。」
この WAW!にお集まりの皆さんは,きっと「世界を変えることができる」。そう信じて 止まない人たちばかりだと思います。
皆さん,世界を,一緒に変えていきましょう! そして,また,来年,この WAW!でお目にかかりたいと思います。 本日は,御参加を頂きまして誠にありがとうございました。
Thank you very much. 


①について、この会議に合わせて選挙を決め、選挙日程を決めたかの言葉。
②について、ゴールドマンサックスの副会長キャシー松井が作った語という。すぐこのような言葉を持ってくる。⚪️⚪️ミクスが好きだ。
③④について、別に総理大臣がこの人たちを育てたわけではなく、ご本人たちの努力が実を結んだこと。いつも人の成果を高らかにあげて、利用しようとする。
⑤について、この支援金、どこで協議し決定されたのか。5千ドルは57億円。その場その場でお金を出しているように思えて仕方がない。予算案で組まれたものなのか。もしかして「特別会計」か。

                            不思議でしょうがない。