2012年11月3日土曜日

声をかくす人

 ロバート•レッドフォード監督作品 2011アメリカ
 メアリー•サラット。アメリカ大統領リンカーン暗殺の共謀者として絞首刑にされた、最初の女性。実在の人物と事件を作品化したものである。自分が営む下宿屋に、犯人が頻繁に通っていたということで、軍法会議でさばかれた女性メアリー•サラット(ロビン•ライト)は息子をかばったためか、不当な裁判により合衆国最初の女性死刑囚として命を落とした。政府はとにかくこの事件の決着を早くすることが、国家の安全だとして動く。目的のためには、どのような方法も辞さない。元北軍の大佐フレデリック•エイキン(ジェームス•マカヴォイ)は、弁護士となり、メアリーを助けようとするが判決は死刑となる。これは、一生活者と国家との戦いである。「国家を立て直すためにには、憲法を無視してもいい」という検事の言葉があるが、これがアメリカの基盤をなす思想のように思えてしまう。このような作品をよく作ったものだと感心した。