2015年9月20日日曜日

フリーダ・カーロの遺品ー石内都、織るようにー

 フリーダ・カーロの遺品ー石内都、織るようにー       

監督:小谷忠典                       2015日本

 メキシコの代表的画家、フリーダ・カーロ。過酷な人生を生きた人だ。小児麻痺で障害を持ち、また交通事故で瀕死の重傷を体験する。そんなフリーダの遺品が公開され、写真家石内都が撮影を依頼された。石内都1947年生まれの写真家。濱谷浩、杉本博司に続いて、日本人3人目となる「ハッセルブラッド国際写真賞」を受賞した写真家である。俗に写真会のノーベル賞と言われる。フリーダの着ていた服、足の高さが左右違うブーツ、さまざまな物が公開され、その中にあるフリーダの魂までも写し出そうとする。そんな石内の撮影の様子を取材しているドキュメンタリーである。フリーダ・カーロとはいったいなんなのだろうか。たんに画家というだけにとどまらない、メキシコの魂なのかもしれない。もちろん彼の地でもマイノリティーではあるが、マイノリティーであれば、マイノリティーであるほど、世界的普遍性があると考えるが、どうだろうか。
              (8・27「シアター・イメージ・フォーラム」にて)