さて、少しでも楽しい事をしていなければ••••?先日、知り合いの個展に出かけた。場所は神楽坂。Mさんの個展はいつもその画廊で行われる。坂の下にあるそのギャラリーは黒塗りの櫺子風の建物であり、いかにも神楽坂という印象を醸し出している。小さなスペースにたくさんの木工作品が置かれている。居酒屋にしてもいい感じの場所だ。
当日わたしにはもうひとつの目論みがあった。ちょつと気になる居酒屋がある。早々に画廊を後にして、徒歩五分ばかりのところにある民家風の居酒屋に入った。まあ風というよりも、民家そのものだ。玄関先の土間は、立ち飲みの場所であり、座敷より少しばかり値段が安い。生ビールが400円で座敷よりも100円安い。クーラーはついていなく、扇風機が回っている。まずはビールだ。おつまみは「鯖のへしこ」、なんか通になった感じだ。カウンターの前に。お酒や料理に関する文庫本やら新刊書やらが無造作に立ててある。いきなりある本に目が止まった。「泥酔懺悔」という赤いカバーの本。めくってみると、11人の女性たちのエッセイだ。角田光代•室井滋•三浦しをん•山崎ナオコーラなどなど、なんだか面白そうだ。その後、福井県のお酒「黒龍」をたのみ、「うずらの唐揚げ」を注文した。うずらは卵だとばかり思っていたら、鳥のほうのうずらの唐揚げだった。当たり前か。生ビール一杯に冷や酒を一杯。帰りがけに本屋に寄って「泥酔懺悔」(筑摩書房)を購入した。
【8月4日夕暮れ時の神楽坂】