脚本・監督:阪本順治
2017/日本・キューバ合作
オダギリ・ジョー
ゲバラ没後50年、そしてこの作品の主人公フレディー前村ウルタードも没後50年。1967年ともにボリビアで命絶えた。
フレディーはボリビア出身の医学生だった。人々のために、それも貧しい人々のために医学を志した。奨学金を得てキューバで学業を続けていたが、祖国が軍事政権となり、志し半ばで戦いを決意する。ゲバラから「エルネスト」という名をもらい祖国のためボリビア政府と戦った。
1967年わたしは、12歳だった。66年から67年、ロックシーンでは英国の「ビートルズ」が、米国の「ヴェルヴェット・アンダーグランド」が活躍していた。66年ボブ・ディランがバイク事故で活動休止し、67年に復活した。66年6月ビートルズが来日し、67年10月ツイギーが来日した。欧米のサブカルチャーが大きく変革して行った時代でもあった。68年には「パリ五月革命」が起こった。67年8月31日、フレディーは政府軍により射殺された、享年25歳。ゲバラも政府軍に捕まり、10月9日射殺された、享年39歳。
監督の阪本は、キューバに滞在し撮影を続けていたとき、キューバ人の心の優しさに触れ「キューバはいい国だと思った」とラジオ番組で語っていた。
この作品に対して、あまり解説めいたことはしたくない。戦わなければいけないと、いま痛切にわたしは思うからだ。政治権力闘争を繰り広げている人々が対象だ。武器を持つことはできない。ではどのような戦いをすればいいのか、大きな課題である。