2012年9月9日日曜日

邦画二本


 休日の日曜日、テアトル新宿に行く。『かぞくのくに』と『I'M  FLASH!』の二本を立て続けに見る。新宿サブナード地下街であらかじめ前売り券を買い求めて行く。
 『かぞくのくに』は「北朝鮮に移住した息子が、病気治療のため一時帰国する」という話。これは重いテーマだ。しかし、とても重要な作品である。おそらくそんなに観客動員は出来なかったのではないだろうか、朝の一回だけの上映である。私たちは、このことをもっときちんと知らなければならない。
 『I'M  FLASH!』はある宗教団体の話。若いカリスマ教祖がまきおこす精神的苦悩。藤原竜也が教祖役だが、なかなかいい。用心棒役に松田龍平、「竜と龍」というのは偶然ですかね。ラストシーンは洋上で龍平に竜也が撃たれるというシーンなのだが、ほんとうに撃たれたかどうかは、作品の上で明らかにされていない。
 映画が終わり、午後の2時半ぐらいだったので、少し散歩をした。青梅街道を歩いて淀橋から川沿いにすこし行く。途中に『新宿国都ビル』という古びた小さなビルがあった。都庁の近く、右翼の大物慎太郎閣下が喜びそうなネーミングである。なかなか川がきれいだった。新宿区と中野区の境に淀橋がある。中野区本町1丁目に通りかかったら、思わぬところに東京工芸大学があった。前身は、小西写真学校である。あの小西六写真工業である。カメラの小西六だ。「サクラカラー」というフィルムは愛用した人が多くいたはずだ。いまはコニカミノルタになり、カメラ業界から撤退。企業も大学も時代に翻弄される。アニメーション学科やマンガ学科やゲーム学科も作っている。なんだかねえ〜という感じがしてならない。この大学をぐるっと一回りして路地に入ると、『クラブ湯』なんていう銭湯に出会う。早風呂のおじさんが出てきた。と思ったら、おばさん連がそれぞれやってきて、「あれ、今日は遅いねえ〜」なんて話している。私もこの銭湯に入りたくなった。
 そんなこんなで、東中野までたどりつき、総武線各駅電車で帰宅の途についた。