2017年11月5日日曜日

5千万ドル拠出の件(平成29年7月8日付)


外務省のHP「外交政策」の7月8日で以下の内容が掲載されている。つまりここで拠出金が示されている。冷静に判断する必要がある。



1 8日16時45分~17時00分(現地時間同日9時45分~10時00分分),ドイツのハンブルグにて開催中のG20において,女性起業家資金イニシアティブ(Women Entrepreneurs Finance Initiative)の立ち上げ式が開催されました。立ち上げ式には,日本を含む同イニシアティブに参加を表明した国々(オーストラリア,カナダ,中国,デンマーク,ドイツ,オランダ,ノルウェー,サウジ・アラビア,韓国,アラブ首長国連邦,英,米の計13か国)の首脳又はその代理及びキム世界銀行総裁が参加し,これら参加国から総額3.25億ドル以上の拠出がプレッジされた旨発表されました。我が国 からは,本件イニシアティブに対し,5,000万ドルを拠出する予定です。

2 本件イニシアティブは,途上国の女性起業家や女性が運営する中小企業が直面する様々な障害(資金アクセスや法制度等)を克服するための支援実施を目的としています。同イニシアティブに基づき世界銀行内に基金が設置され,本年より活動が開始される予定です。

(参考)女性起業家資金イニシアティブ(Women Entrepreneurs Finance Initiative)
途上国において,女性起業家や女性が運営する中小企業が直面する障害(資金アクセス,法制度等)を克服するための支援実施を目的として世銀内に設立される基金。支援内容は,女性起業家等に対する資金支援,金融機関等に対する女性起業家とのビジネス促進に向けた助言,途上国の法制度改善に向けた技術協力等。ドナー国から2億ドル及びリスク軽減措置により動員される民間資金等を合わせて10億ドル超の資金を利用可能とすることを目指す。

以下は財務省のHP「内閣、復興、外務、経済協力関係予算」の7ページにある内容。この519億円のなかに、5千万ドルがあるのか?そうしたらこれは一般会計か?



(1)平和構築・平和維持、難民等支援、中庸・穏健主義への支援 243億円 (2)保健、女性、教育分野での国際協力 519億円
1.ODA予算の拡充

         わからないことばかりだ。


5千万ドル拠出の件 

5千万ドルは、5千万ドルであって、円ではない。というのが正しいらしい。つまり、この拠出は7月にすでに決断されたものであって、イヴァンカさんとの直接的な関係はないものである、という。「女性起業家資金イニシアティブ」というもので、世界銀行内に設置されているものであるそうです。資金源は外貨準備高からの拠出で、国内では使えない「塩漬けドル」を使用するということが真実らしい。
 総理大臣はスピーチで日本政府の仕事として、これを強調したかったのだろう。

 でも、これは外貨準備高ではなく一般会計からだ。という人もいます。

世界銀行のプレスリリースには下記の記述があるということだ。(多分原文は英語表記)
 「本ファシリティの構想に貢献し、女性の起業という課題を強く支持してきたイバンカ・トランプ米国大統領補佐官は、本ファシリティの運営管理または資金調達には関与しない」

 判然としない。門外漢を阻害しない報道をしてもらいたいものだ。

外務省HPからの転載 (下線ブログ作成者) 路地裏の”Che"として


以下のスピーチ原稿は、外務省のHPに掲載されている安倍晋三内閣総理大臣の開会スピーチです。「国際女性会議WAW!(World Assembly for Women: WAW! 2017)」
尚、下線はわたしが付しました。


WAW!2017 総理スピーチ 11月3日(金曜日)
 皆様,おはようございます。そして,ようこそ日本にお越し頂きました。総理大臣とし て,心から歓迎いたします。
実は,先月,日本では総選挙がありましたので,ここに来ることができるかどうか,ギ リギリまで決まらなかったのですが,一昨日,国会で指名を受け,無事,総理大臣として, ここにやって来ることができました。
 そして,新しい内閣がスタートを切って,最初に参加する国際会議が,この WAW!にな ります。
安倍内閣の,「女性活躍」への本気度が,お分かりいただけると思います。
正直に申し上げれば,会議の日程は遥か前から決まっていました。ですので,偶然の結果です。
しかし,①政治にとって最も重要なのは,「勘」なんです。この絶妙なタイミングを読み切 っていたかの如く,予めこの日程を設定したものであります。
これは,やはり,私の,「女性活躍」への強いコミットメントの表れだと,考えていただ きたいと思います。
 さて,この WAW!も,今回で4回目となります。壇上から見ておりますと,客席の皆様 が眩しいくらいに輝いています。回を追うごとに,熱気と華やかさが増している感じがい たします。
 これだけの数の,世界で活躍する女性たちが一堂に会する国際会議が,ここ日本で開か れるようになった。日本も本当に変わったなぁと,しみじみ感じております。
 30年以上前,私は,会社員として,ニューヨークで働いていたことがあります。
その時,アメリカのビジネス界で,男性と対等に,堂々と渡り合う米国人女性たちの姿 を目の当たりにして,本当に驚いたことを,昨日のことのように思い出します。
 その後,私は,政治の世界に飛び込みますが,男中心の日本社会が,アメリカのように 変わることは,当時,想像もしませんでした。
 ほんの10年前ですら,日本の女性の就業率は,64歳以下の全ての世代で,アメリカ よりも低かった。これが,現実でありました。
 しかし,5年前,私は,総理大臣となった直後から,「女性活躍」の旗を高く掲げ,成長 戦略のど真ん中に位置づけました。
 保育の受け皿整備など,女性が働きやすい環境を作ることに,全力を挙げて参りました。 その結果,女性の就業者数は150万人増加し,特に,子育て世代の女性就業率は一気に
5%上昇しました。いわゆる M 字カーブの問題は,確実に,解消に向かっています。 そして,昨年,とうとう,日本の女性就業率は,25歳以上の全ての世代で,アメリカよ りも高くなりました。
30年以上前,遥か彼方にあったアメリカ社会と,とうとう日本社会が肩を並べるとこ ろまで来たかと思うと,本当に,感慨深いものがあります。
 日本は,変わった。
 社会は,変えることができます。
日本企業の女性役員の数は,この5年で2倍以上に増加しました。 私自身も経済界に女性役員を増やすよう要請をしてきましたが,ルールも変えて,有価証 券報告書に女性役員の人数と比率の記載を義務づけました。そうすると,企業の行動が, 一気に変わりました。
 そして今,皆様ご存じのとおり,日本企業は,過去最高の収益を上げています。②「ウィメ ノミクス」は,我が国の経済成長を牽引する大きな力となっています。 日本は,変わった。
 ですから,世界も,変えられるはずです。
世界の医療に革新をもたらし,世界で初めて,iPS 細胞による移植手術に成功したのは, 一人の日本人女性です。
 ③高橋政代(たかはしまさよ)さんは,眼科のお医者さんです。長年,患者さんの様々な 悩みに寄り添ってきました。偶然,彼女のパートナーは,脳神経外科医で,再生医療の研 究をしていました。この二つの異分野のノウハウを,高橋さんは見事に結びつけました。iPS 細胞の技術を用いて,目の網膜を作ることに挑戦し,大きな成果をあげました。
「新しいモノは,『間(あいだ)』にある。」
彼女はこう言います。眼科医は,再生医療研究の最先端を知らない。逆に,再生医療の 専門家は,網膜治療の重要性が分からない。
 この二つの既存の研究領域の「間(あいだ)」に,イノベーションを生み出す答えを,高 橋さんは見つけました。
 周囲の男性たちは,最初,彼女のプランを全く相手にしなかったそうです。男は,いわ ゆる「常識」にとらわれすぎる。私も胸が痛みます。
 男たちが作りあげた「常識」という壁を打ち破り,新しい時代を切り拓く力が,女性に はある。私は,そう信じます。
 ビジネスの世界も同じです。 男性にはない感性で,社会的な課題を解決する新たなビジネス。
女性ならではの目線で,これまでにない価値を生み出すビジネス。
 女性起業家は,閉塞感ある経済を打ち破り,世界経済を飛躍的に発展させる,大きな可 能性に満ちていると思います。
④今,一人の若き女性起業家が,カンボジアの大地で,農業を変革しようとしています。 リム・ポーティーさんは,元々,NGOの一員として,カンボジアの貧困問題に立ち向か ってきた。貧しい農家の支援に取り組んできました。
 しかし,NGOの活動は,ドナーの支援に左右されてしまう。そこで,リムさんは,一 念発起し,日本のJICAがカンボジアで実施している起業家を支援するプログラムに参 加しました。そして,マーケティングや財務管理などを学んで,自らビジネスを立ち上げ ました。
 30軒のカンボジア農家から有機野菜や果実を買い取り,販売するビジネスです。
安定した販路を確保できた結果,契約農家の中には,子供たちが学校に行けるようにな った。新しい家を建てることができた人もいます。リムさんの新しいビジネスは,カンボ ジアの貧困の解消に大きな力を発揮しています。
「好きな仕事をして,社会に貢献することは幸せ」だと,リムさんは語ります。 女性起業家たちの挑戦は,経済を,そして世界を大きく変える力を秘めています。
本日このWAW!に参加してくださった, イヴァンカ・トランプさんも,同意して頂 けると思います。
 自らもビジネスを立ち上げた実業家として,また,トランプ大統領が信頼する補佐官と して,イヴァンカさんは,本年のG20ハンブルグ・サミットで,「女性起業家資金イニシ アティブ」の立ち上げを主導されました。
日本は,このイニシアティブを強く支持します。そして,最大拠出国の一つとして,⑤5千万ドルの支援を行うことを決定しました。
 世界中に「女性活躍」のネットワークを広げていく。世界中の女性たちが立ち上がれば, 貧困をはじめ,世界の様々な課題は,きっと解決できるはずです。
日本は,世界において,これからも「女性活躍」の旗を高く掲げ,強いリーダーシップ を発揮していく決意です。
⑥皆さんもご存じの iPhone(アイフォン)が発売されたのは,10年前。そして,現在, 世界中で累計10億台。世界的な,これだけの広がりを,10年前,誰が予想できたでし ょうか。
 10年あれば,世界は変えることができる。いや,10年も要らないかもしれません。 世界の至るところで女性たちが輝く社会, 女性たちが次の時代を切り拓く力となる世界を,必ず,実現できる。私は,確信しています。

 スティーブ・ジョブスの言葉を思い出します。
「自分が,『世界を変えられる』と本気で,信じる人たちこそが,本当に,世界を変えて いる。」
この WAW!にお集まりの皆さんは,きっと「世界を変えることができる」。そう信じて 止まない人たちばかりだと思います。
皆さん,世界を,一緒に変えていきましょう! そして,また,来年,この WAW!でお目にかかりたいと思います。 本日は,御参加を頂きまして誠にありがとうございました。
Thank you very much. 


①について、この会議に合わせて選挙を決め、選挙日程を決めたかの言葉。
②について、ゴールドマンサックスの副会長キャシー松井が作った語という。すぐこのような言葉を持ってくる。⚪️⚪️ミクスが好きだ。
③④について、別に総理大臣がこの人たちを育てたわけではなく、ご本人たちの努力が実を結んだこと。いつも人の成果を高らかにあげて、利用しようとする。
⑤について、この支援金、どこで協議し決定されたのか。5千ドルは57億円。その場その場でお金を出しているように思えて仕方がない。予算案で組まれたものなのか。もしかして「特別会計」か。

                            不思議でしょうがない。

   















2017年10月16日月曜日

『PATERSON』


 『PATERSON』             2016年 アメリカ
                     監督ジム・ジャームッシュ
                     
                     アダム・ドライバー
                     ゴルシフテ・ファラハニ
                     永瀬正敏

 米国ニュージャージー州にパターソンという市があるらしい。ニューヨーク州のとなりなので、東海岸にそれほど遠くないところにある。パターソン市でバスの運転手をしているパターソンという男性が主人公。普通の庶民であり、毎日毎日バスの運転をしてる。小津安二郎の作品世界に登場しそうなパターソンは、毎日を規則正しく送ることを旨としている。ノートに詩を書き続けているが、それを発表しようとかの名声欲はない。妻から勧められても心がゆれることはない。ただただ生活のために働き、楽しみとして詩作をすることで満足している。ただ、ところところで不思議な人物が登場する。双子のおじさん、双子の姉妹、など双子がチラッと出てくる。これはなにかの象徴なのだろうか、最後に日本から来た勤め人の詩人がでてくる。ふたりは初めて会ったのだが、違いの心が通じているような感じである。ツインソウルと言えば通俗に傾きすぎだろうか。
 静かで示唆に富む作品であった。

愛を綴る女


  『愛を綴る女』           2016年フランス
                    監督ニコール・ガルシア
                    原作『祖母の手帖』ミレーナ・アグス
                    
                    マリオン・コティアール
                    アレックス・ブレンデミュール
                    ルイ・ガレル

 原題『MAL  DE  PIERRES』  邦題がなんとも意訳しすぎの感がある。「石の痛み」と訳すといいのかもしれない。映画ライターの久保玲子が ”石の痛み”という言葉を使っているので、この「石の痛み」という邦題にしたらどうだろうかと思う。
 南仏プロバンスから親子三人がリオンにやってきた。息子がピアノのコンクールに出場するのだ。車中の三人は家庭円満な印象を受ける。ところが、いざ会場に向かう途中に妻のガブリエル(マリオン・コティアール)はタクシーから一人降りてしまう。彼女はこの通りの名前に反応したのだ。走る彼女はのっぴきならない様子だ。そして、あるアパルトメントにたどり着き、そこにある住居者の表札を見つめる。それはアンドレ・ソヴァージュという男性の名前だった。
 物語は過去に遡る。愛に対して情熱的な少女だったガブリエルは、周りから偏見の目で見られていた。母親は、なんとかしなければならないと思い、労働者のジョゼと結婚させる。しかし、ガブリエルは、ジョゼに「愛していない、絶対に愛さない」と告げるのだった。最初から愛のない関係が続く。彼女の病気、療養所で出会った軍人ルイ、チャイコフスキーの「四季6月舟歌」がつづれ織りの糸のように絡み合う。深い谷に下りて行くように、ひたひたと迫る冷気のような感情。この作品はよくある倫理観で観てはならない。人の心のありようを静かに受け止めてこそ、理解できる。ラスト、静かな感動がさざ波のように押し寄せる。成熟したフランスの情の物語だ。
 ガブリエル役のマリオンは横顔に強い意志が表現されて卓偉。デカダンのようなアレックスも、哲人のようなルイもいい。
 

2017年10月15日日曜日

鳥のことは何も書いていない。


 こんな新聞記事を見つけた。2017年10月13日の「東京新聞夕刊」である。ドローンが鳥とぶつかり墜落したようだ。この記事には「鳥」のことは一切書かれていない。この鳥はどうなったのだろう。「けが人はいなかった」かもしれないが、「けが鳥」はいたのかなかったのか。これからの産業に対して「ドローン」は有効なのかもしれないが、(デュアルユースだと思うが)もしこのような事故が頻繁におこると命ある鳥はどうなんだ。こんなことを言うと、過激で過剰な動物愛護者とレッテルを貼られてしまうかもしれないが、これは意外と大きな問題である。空港のバードストライクはあるが、それに対してバードパトロールなどの対策はしている。そもそもが人命のためであるが、鳥の命も結果として救うことにはなる。
 そもそも飛んでいる鳥が何かにぶつかるということは、どれくらいの確率なのだろう。本能や能力は、そんなヤワなものではないだろう。普段目にする鳥たちの素早さには驚くことがある。小型のドローンだからであろうか、なんだかわからないことが多すぎる。

ERNEST


                   脚本・監督:阪本順治
                   2017/日本・キューバ合作
                   オダギリ・ジョー
 

 ゲバラ没後50年、そしてこの作品の主人公フレディー前村ウルタードも没後50年。1967年ともにボリビアで命絶えた。
 フレディーはボリビア出身の医学生だった。人々のために、それも貧しい人々のために医学を志した。奨学金を得てキューバで学業を続けていたが、祖国が軍事政権となり、志し半ばで戦いを決意する。ゲバラから「エルネスト」という名をもらい祖国のためボリビア政府と戦った。
 1967年わたしは、12歳だった。66年から67年、ロックシーンでは英国の「ビートルズ」が、米国の「ヴェルヴェット・アンダーグランド」が活躍していた。66年ボブ・ディランがバイク事故で活動休止し、67年に復活した。66年6月ビートルズが来日し、67年10月ツイギーが来日した。欧米のサブカルチャーが大きく変革して行った時代でもあった。68年には「パリ五月革命」が起こった。67年8月31日、フレディーは政府軍により射殺された、享年25歳。ゲバラも政府軍に捕まり、10月9日射殺された、享年39歳。
 監督の阪本は、キューバに滞在し撮影を続けていたとき、キューバ人の心の優しさに触れ「キューバはいい国だと思った」とラジオ番組で語っていた。

 この作品に対して、あまり解説めいたことはしたくない。戦わなければいけないと、いま痛切にわたしは思うからだ。政治権力闘争を繰り広げている人々が対象だ。武器を持つことはできない。ではどのような戦いをすればいいのか、大きな課題である。