2013年11月4日月曜日

H的立場 軽自動車の増税

 総務省が軽自動車の税金を引き上げる案を提出した。報道では、普通車の税金に対して
バランスを欠いているから、という話があった。そんなおためごかしの論が公にされ、マスコミは何の反論もせず、そのままニュースとして流している。バランスを欠いているという理由だけなら、税金の高い普通車を下げればいいだけの話だ。それでこの問題は終わる。おおいに腹が立った。理由は全く違うところにあるにもかかわらず、幼稚な言論に終始している。なぜ軽自動車に人気があるのかという本質に言及しなければ、何も見えてこないし、そこから政治は生まれない。
 軽自動車の税金に対して、TPPの懸念材料であるISD条項として話題にされることがよくある。ISD条項とは、「ある国の政府が外国企業。外国資本に対してのみ不当な差別を行った場合、当該企業がその差別を受けた損害について相手国政府に対し賠償を求める」ことが出来るという法律である。実例として、カナダやメキシコのことがあげられるが、米国側が自国の自動車が売れない理由は、日本の軽自動車税という制度に問題があるという理由で提訴される可能性がある。という懸念である。ということを考えると、その先取りでないだろうか。あらかじめこのような方向を打ち出しておけば、アメリカに対して、「日本は努力していますよ。」ということで矛先の緩和になる。
 しかし、話はこればかりではない。今回気がついたことは、政府の税金徴収源の開発ということである。これは一挙両得ではないだろうか。いやむしろ税金確保の方に重点が置かれているではないだろうか。11月2日の山形新聞のコラム「談話室」にわたしと同じような意見が掲載されていた。「税収の穴を軽などで埋めようという構想だ。軽の保有台数の1位は佐賀県2位は鳥取県3位は島根県、そして4位は山形県」だそうだ。そして、低いのは、東京•神奈川•大阪。税制を決める専門家には、電車の多い東京を出て、地方の声を聞いてもらいたい。」大都会では、電車の便がいいが、地方では公共の交通機関がないところもある。例えば沖縄には那覇のゆいまーる以外は鉄道がなく、県民の足はほとんど自分たちが保有する自家用車だ。都会からは離れれば離れるほど、交通の便は悪くなる。通勤だって、村役場に行くのだって、病院に行くのだって、赤字になってしまう公共交通は無くなっている。
 諸外国に円借款などで貸す資金は膨大にある。復興支援のお金は使われないままである。おもいやり予算もそのまま。そんなお金があるにもかかわらず、いままでのレベルの維持や、それ以上にするために、国民から税金として徴収する法案がとまらない。

 ISD条項に関しては、これは「狼と少年」だ。主権侵略ではなく、その条項での話である。という考えもある。しかし、自国に有利にはたらかない条項をアメリカが持ち出すことがあるだろうか。アメリカの基本姿勢として、アメリカのアメリカによるアメリカのための国際戦略は、そんな甘いものではない。