監督:アモール•グプテ 2011年 インド
スタンリー少年は、かわいそうな子だが、そんな素振りを一切見せないクラスの人気者。いつも明るく笑っている。いろんなことが出来て、みんなから尊敬もされている。でも、彼は学校にお弁当を持ってくることが出来ない。友だちはみんな自分のお昼ご飯をスタンリーに分け与えているのだが、そんな様子を国語教師ヴァルマーは嫌っている。
「自分のお弁当を持って来れないやつは、学校に来るな!」とヴァルマーから叱責され、スタンリーは深く傷つく。友だちは、みんなヴォルマーに厳しい視線をむける。でも、明るいスタンリーは笑顔で乗り切ろうとがんばる。
もちろん社会背景には、貧困と児童労働問題が透けて見える。でも、そこに生きる人々は一所懸命やるしかないのだ。それも笑顔で。なんだか、何十年前かの日本の学校現場をみるようなノスタルジーを感じる。スタンリー役のパルソー少年は、監督グプテの息子。とてもピュアでいい。国語教師のいけ好かない不潔な男は、なんと父親のアモール•グプテ監督自身だ。一日も学校を休ませることなく短時間でこの作品を撮影したらしい。ここにも、監督の良識が垣間見える。
梅雨明けの空のようにスッキリした感覚にさせてくれる。スタンリーに、こっそりお弁当を作ってくれた店の従業員は優しく素敵なクールガイだ。
それにしても、素手で油物を食べるのは個人的にまだ受け入れられないのだが•••••。