2013年7月28日日曜日

今回の個展

 8月5日から個展がはじまる。今回は青以外の色を禁じた。作業をしていると、どうしても、だんだんと他の色を使いたくなる。もちろんすべては自由なのだが、作品については、己の自由と規制を自らが決めなければならない。その意味ではきわめて禁欲的作業が必要となってくる。
 思えば、黄色からはじまり、現在は青の世界にいる。めざすは豊穣なる青の世界。先日上野の国立科学博物館の『ダイオウイカ展』に出かけたのだが、そこでこんな説明が書かれてあった。太陽光の赤は海に入るとすぐに吸収されてしまうが、青は海底1000メートルまで届いているという。そうなのか、だから地球は青の世界なのだろうか。だれかが「地球は青かった」と言ったが、青であるかぎり地球そのものは大丈夫なのかもしれないと、思えてくる。
 私の作業は、意図された瞬間からはじまる。しかし、そこに大きい偶然が侵略して来る。そして偶然そのものが、極めて美しい。しかし、偶然に頼るならば人知の意味は見いだせない。意図と偶然の往来から必然へと止揚して行くことが重要である。つまり、ひとつの仮説からはじまり、その仮説を裏切る事実が表出してくる。その表出された結果を秩序づけることが、私の作業なのだろう。瞬間から永遠への作業なのである。