マイケル・ラドフォード監督作品 2011年 仏・独・伊
あるJAZZピアニストのドキュメンタリー。その男の名はミシェル・ペトルチアーニ。1962年フランス出身。骨形成不全症という障害を持って生まれ、成人しても1メートル程度だった。生まれたときには、もうほとんどが骨折状態であったという。
音楽家一家に生まれた彼は、幼少のときからピアノを弾き始めた。あっという間に高度なテクニックを身につけ、名のあるミュージシャンを驚かせた。18歳の若さでニューヨークのブルーノート・レコードと契約、脱兎のごとくJAZZ界を駆け抜けた36年の人生だった。陽気で破天荒、いまはペールラシェーズ墓地に静かに眠る。
健常だとか障害だとか人はよく話題にする。ペトルチアーニが言うように、規格内であるなら健常で、規格外なら障害なのだろうか。体のサイズからなにから、われわれは規格内であることに安心するのかも知れない。ようするに圧倒的多数の中にいるということだ。
小男である私にとって、いろいろ考えさせられる作品であった。もちろん、私はピアニストでもなく天才でもないのだが。