『お盆の弟』 大崎 章 監督 2015年日本
モノクロームの作品。モノクローム・夏・開襟シャツとあれば、どうも私の脳裏には小津安二郎の映像が浮かんでしまう。
田舎に戻ってきているタカシ(渋川清彦)そこに兄マサル(光石研)いる。マサルは癌の手術をし人工肛門であり、タカシは妻から離縁状を叩きつけられた状態である。なんだか二人ともダメダメである。でも、このダメダメがいい。子供がいるタカシはどうも青春から抜け出せていない。マサルもなんだか誤解の恋愛をしているような感じで、しっかりしていない。普通の生活者としては、同情する部分がかなりあるが、この情けないふたりの日々の様子は、ほろ苦くそして滑稽である。普段の我々は、みんなそんなもの。いい作品であった。
(8月2日 『K'sシネマ』にて)