2013年2月17日日曜日

子供の頃『青空布団の物語』


 子供の頃、木造二階建の二階部分は一階の部分よりも広さは小さかった。つまり、二階の窓から一階の屋根にひょいと出ることができた。そんな感じで物干し台などがある家もあった。青空の日などは、一階の屋根にふとんを干していたので、わたしは誰もみていないことをいいことに、暖かいふとんにゴロッと横になり青空を見上げていた。
 さまざまな空想にふけっていた子供の頃であった。空を見ていると、そのまま空に吸い込まれて行くような感じがしてならなかった。吸い込まれるというか、感覚としては空に落ちて行くという感じだ。ひとりで、そんなことばかりしていた。現在の家は、屋根におりることが出来ないので、そんなこともできない。そう、屋根に上がるではなく、屋根に下りるということだった。
 その後、国語の教科書で「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」という石川啄木の歌に出会い、感慨深いものがあった。